コンサートやスポーツ観戦のチケットは、人気公演になるとすぐに売り切れてしまいます。
そんな中、チケットを譲ると持ちかけ、代金だけを受け取って姿を消す「チケット詐欺」が増えています。
お金を払ったのにチケットが届かない、偽物だった——そんな被害が後を絶ちません。
この記事では、実際に起きたチケット詐欺の手口や被害例を紹介し、詐欺にあわないための対策を詳しく解説します。
チケット詐欺とは?
チケット詐欺とは、コンサートやスポーツイベントや舞台公演などのチケットを販売すると偽り、代金だけを受け取ってチケットを渡さない、もしくは偽造チケットを販売する詐欺のことです。
特に人気イベントのチケットは入手困難なため、詐欺の標的になりやすい傾向があります。
日本国内での発生状況
警察庁の発表によると、2023年にはチケット詐欺に関する相談件数が年間で約5,000件を超え、被害総額は数億円規模にのぼっています。
SNSやフリマアプリを通じた個人取引の増加により、被害はさらに拡大しているのが現状です。
実際に日本で起こったチケット詐欺の事例
SNSを利用した詐欺
TwitterやInstagramで「チケット譲ります」と投稿し、代金を振り込ませた後に連絡が途絶える手口が多発しています。
特に「安全に取引できます」とアピールしているアカウントでも、安心はできません。
実際に、過去には人気アーティストやスポーツイベントのチケットを譲ると偽り、多額の現金を騙し取る事件が発生し、報道されました。
この傾向は現在も続いており、特にSNSを通じた詐欺が増加していると警察も注意を呼びかけています。
偽造チケットの販売
偽造チケットの販売も依然として問題になっており、特にQRコードやバーコードを偽造したチケットが流通しています。
購入者が会場に到着して初めて偽物だと気づくケースが多く、見た目が本物そっくりなため簡単には見抜けません。
近年では、大規模なスポーツイベントやコンサートで偽造チケットが発覚し、複数の被害者が出た事例が報告されています。
公式転売サイトを装った詐欺
転売サイトや偽の公式サイトを利用した詐欺も増えています。
これらのサイトは本物そっくりに作られており、購入者が騙されてしまうことが少なくありません。
サイトのデザインが公式サイトに酷似しているため、注意しないと見分けがつかないこともあります。
最近では、こうした詐欺の手口がますます巧妙化しており、被害にあわないためには細心の注意が必要です。
チケット詐欺で失ったお金は取り戻せる?
チケット詐欺に遭った場合、支払ったお金が戻ることは難しいのが現実です。
詐欺師はしばしば偽名やプリペイドカード、仮想通貨などを使って取引を行い、振り込んだお金をすぐに別口座や他の方法で移してしまいます。
このため、警察や弁護士が追跡しても、詐欺師の足取りを追うことが非常に困難です。
さらに、仮に裁判を起こしても、詐欺師が支払い能力を持っていなかったり、すでにお金を使い果たしていたりすることが多く、賠償金が実際に支払われることは少ないです。
つまり、裁判で勝訴したとしても、詐欺師が支払いをしない、もしくは支払えないという状況になる可能性が高いのです。
チケット詐欺に遭わないための対策
正規の販売ルートを利用
チケットは必ず公式サイトや認可されたプレイガイドから購入することが最も安全です。
転売サイトや個人取引には、リスクが高いため気を付けましょう。
特にSNSやフリマアプリでの取引は、詐欺のリスクが高いため気軽に見ず知らずの他人とやり取りを行わないようにしましょう。
個人取引における注意点
個人間取引を行う際には、相手の信頼性や過去の取引履歴を必ず確認しましょう。
免許証などでの信用確認などは偽造が簡単にできますので、できれば直接会って取引することが理想的です。
また、前払いを強要される場合は、その取引にリスクがあると考えて慎重に判断することが大切です。
不審な販売情報を見極める
価格が異常に安い、連絡手段がLINEのみ、取引履歴がない新規アカウントなど、販売情報に不審な点がある場合はその取引は避けるべきです。
SNSのアカウントの売買なども行われているため、安易に古いアカウントだから大丈夫と思い込むのは危険です。
もし被害に遭ったら…
万が一、チケット詐欺に遭ってしまった場合、すぐに以下の窓口等に相談してください。
相談する時には、取引の証拠(振込明細やメッセージなど)を保存しておき、提出できるように用意しておきましょう。
警察相談専用ダイヤル (#9110)
詐欺に関する相談や通報を受け付けています。
地域の警察署に直接つながり、迅速な対応が期待できます。
受付時間: 平日 8:00〜20:00
消費者ホットライン (188)
消費者センターへの相談窓口です。
チケット詐欺に関する相談も受け付けています。
受付時間: 9:00〜17:00(平日のみ)
まとめ
チケット詐欺は、特に人気公演やスポーツイベントの際に増加します。
SNSを通じた詐欺や偽造チケットの流通は現在も続いており、被害にあわないためには公式の販売ルートを利用することが重要です。
個人取引の場合は慎重に、怪しい取引は避けましょう。
万が一被害に遭った場合は、警察や消費者センターに速やかに相談して問題解決を図りましょう。
大切なお金と楽しみを守るために、正しい知識を身につけておきましょう。